<原料探訪シリーズ>その1:四国産だいだい果汁③

工場見学後、再び竹原社長にお話を伺いました。
「私たちは果汁を搾りますが生産者である農家に果実を栽培してもらわないと成り立ちません。原料を安く買い叩けば、それだけ農家のやる気を削いでしまう。また経営が安定しなくなり後継者も育たなくなってしまいます。そうなると彼らは木を切ってしまうんです。」
「普通の農産物と違って、果実の木はすぐには育ちません。実がなるのにも数年以上かかります。そうすれば私たちも仕事ができなくなってしまう。私たちが生産者を守らなければならないのです。」
やさしい徳島訛りの中でも真摯な口調で語られます。
「そのかわり、農家には良質な果実を納品してもらっています。一定の受け入れ基準を設定して、それを下回った場合は買いません。たとえば柚子は大きな棘があるので枝ごと落としてから実を取ることもありますがこれだと落ちた時に実に傷が付く。」
「酢橘もいっぱい棘がありますが農家は9月のまだ暑いさなか、両腕傷だらけになりながら1個1個手で摘んでいます。これでないと良い実が取れないのです。」
生産者さんのご苦労が目に浮かびます。
「私たちの苦労ですか。最初に言った選別作業もそうですが実は毎回搾った後、機械の洗浄に3時間かかるのです。まずは水洗いで2時間、その後熱湯で1時間。機械の細かい隙間まで全部手作業です。」
「機械メーカーさんは自動洗浄装置のついたものを提案してきますがこればかりは手作業にかなうものはありません。使う前の状態に戻す。これも先代の社長の教えです。」
「嬉しいことは、果実の選別作業・機械の徹底的な清浄作業で品質が保たれ多くのお取引先に信用をいただいていることです。良いものを作っていればいつかは認められる。これからは様々な柑橘の果汁を使用した加工品の開発ができればと考えています。」
大変良いお話を伺うことができました。
私たちも文右衛門蔵を自信をもってお客様におすすめできることを確信しました。取材した日は1月下旬とは思えないような暖かい日でした。暖かい日差しが橙の色を一層引き立ててくれました。(終わり)
※次回シリーズは「九州産原木しいたけ」です。乞うご期待!